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【感動】結婚を控えた娘に [感動!]

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【感動】


【結婚を控えた娘に】

いよいよ来月、結婚するんやね。

おめでとう。


ジューン・ブライドに憧れていたはずやのに、

きみは結局、お母さんの旅立った8月を、

式の日に選びました。


あなたの母親であり、私の妻であった、

我々の最愛の女性は、

ある、小さな記事として新聞にも

掲載された交通事故により、

きみがまだ6歳の時に亡くなりました。


突然すぎて、悲しみ抜いて、

途方に暮れて、精神的に参ってしまった私は、

死のうとしたんです。


バカなことに、きみを連れて

お母さんを追いかけようとした。


その日、最後の思い出にと、

家族でよく出かけた遊園地に2人で行きました。

君は嬉しそうに、はしゃぎ回った。


いつも家族で乗った

メリーゴーランドにひとりで乗るきみを、

私は精いっぱいの笑顔を作って、

だけど力なく手を振って、

きみが「お父さーん」と呼ぶ声に

必死で答えていました。


とにかくきみは楽しそうで、

これが最後の遊園地になることも知らずに、

いや、今日が最後の日であることも知らずに、

元気いっぱいに走っては、

乗り物をハシゴしてた。


きみが楽しげであればあるほど心は痛んで、

でも、心が痛めば傷むほど、

必死で笑顔を作るようにしました。


やがて急流すべりを乗り終わって、

こちらに駆けつけてきたきみは、

満足げな表情で見上げつつ、

私と手をつないで、

ニコニコしながらこう言いました。


「もういいよ、お父さん。

もう、お母さんのところに行こ」


きみは気づいていたんやね。

きみを抱いたまま、ムリヤリ、

父親の私がこの世を去ろうとしていたことを、

なぜか知っていたんやね。


この言葉で、私はハッと目が覚めました。

私はこんなことを言った。

「あほ!お母さんに怒られるぞ、ミサト!

いつか、お母さんがゴハン作って待ってるのに、

迎えに来てくれたオマエと

駅前の焼鳥屋に寄り道した時みたいに、

『そんな勝手なことするんやったら、

二人で出て行きなさい!』って、

お母さんスネるぞ!
スネたらひつこいぞ~!」


こう言うときみは、

お葬式の日以来、

お母さんのことでは全く泣かなかったミサトは、

セキを切ったように大きな声で泣きだしたね。


24年前のあの日のことを、

きみは憶えていないと言います。


でも、きみに子供が、そう、

私とお母さんにとっての孫ができて成長したら、

あの遊園地にみんなで行こう。


お母さんの分も入場券をちゃんと買って、

みんなでメリーゴーランドに乗ろう。

そしてみんなで、思いっきり笑おうな。

ミサト、本当におめでとう。


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